混濁する変質のミックス、鼓膜を欠く蛇の剥き身からの血液の模様/ホロウ・シカエルボク
 
て焦点の合わない目の奥を覗き込んでいたのはあれは昨日の話だっただろうか?オーバーヘッドプロジェクターのスライドする画面みたいな無機質な記憶、最も信じられないのはいつだって自分自身だった
途切れ途切れに見た夢の断片を繋ぎ合せてひとつの辻褄を合わせようとした、嘘なんだと呟きながら…そのあとに見えるものがどんな形かなんてそんなことはどうでもよかったんだ
見えたものは嘘だ、見えたものなんて全て嘘だ、最も信じられないのはいつだって自分自身だった、オーケストラが突然調和を乱すみたいにブレる感情の波をどんなふうに語ればいい、そしてそれは誰かに伝わることなどないのだ
正体!正体などあるわけがないのだ、虚けた
[次のページ]
戻る   Point(1)