タマ、秋に出会う。/千月 話子
 
オに 向日葵のような女を 入れながら
隣の家の 屋根を渡る 猫の
長い影を追いながら 窓を閉める

乾いた目にもうすぐ 潤う快感が
訪れるはずだったのに・・・・・・・。


不意に飛び込んできた 枯葉色のイヌワシに
   掴み 放られた!


高ぶる感情 高ぶる怖れ 高ぶる体 萎え
     俺の彼女を 返せよ!
外は夕立・・・ 外は長雨・・・ 外に上着を・・・。
     あの猫は どこに行くんだろう

かくして 俺の熱い夏の夜は 終わったのだった。 / グッバイ!


8月を歩き疲れて 9月を過ぎた 私は
励ましの焼き栗と 煮干の匂いが染み付いた手を振
[次のページ]
戻る   Point(3)