テイルとダッタ/キムラタツオ
 
べられるのに
彼は少し悲しくなった
彼のお話しは少し変わってきた
人らしさが薄れると
なおのことお話しとは分からない
ある日彼は人を殺した
彼はもうほとんど電車だったので事故だった
事件には人柄がある
虫と違いはない
もう少しで事故でもなくなる
お話しは続いたが
始まりも終りもないお話しは
いつしか始まりでも終りでもあった
始まりも終りもある今は
だった になった
駅だった橋だった踏み切りだった家だった森だった海だった夜だった人だった虫だった事件だった事故だった始まりだった終りだった今だった悲しさだったよだかだった舌だった指だっただっただっただっただっただっただっただ
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