少女と死と少女/ヨルノテガム
いつもよりゆっくりに
同じ場面を進んでいる
足踏みが一歩多いよな
グラデーションは
秋の日と夏の終わりの
何者へと変化してゆくのかしら 静かにアタシは
木の幹に隠れるから
アナタは雨の影に隠れておいで
手をつないで運命の隣り
玩具みたいに従順だった
始まりが真っすぐな終わりだったなんて
ワタシたちは肩を寄せ合う、キス。
収束してゆかない
とぎれとぎれのおはなしが
わたしたちのことなんて、キス。
アナタが走り出して
ワタシも後を追う
ワタシ、アナタのおとこになりたい
つよく守れる、そしてアナタを
ずっと嗅いでいたい
髪
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)