少女と死と少女/ヨルノテガム
 






いつもよりゆっくりに
同じ場面を進んでいる
足踏みが一歩多いよな
グラデーションは
秋の日と夏の終わりの

何者へと変化してゆくのかしら 静かにアタシは

木の幹に隠れるから 
アナタは雨の影に隠れておいで
手をつないで運命の隣り
玩具みたいに従順だった
始まりが真っすぐな終わりだったなんて
ワタシたちは肩を寄せ合う、キス。

収束してゆかない
とぎれとぎれのおはなしが
わたしたちのことなんて、キス。

アナタが走り出して
ワタシも後を追う
ワタシ、アナタのおとこになりたい
つよく守れる、そしてアナタを
ずっと嗅いでいたい

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