Deoxyribo Nucleic Acid/ジャイコ
 
つきみをそこから海に流そうとしているのですよね。

空の青がわたしの母だったとしても。



* thymine *


君が食べた星の欠片をかき集め、
落ちてゆくチミンの傍へと沈めることにしました。
そうすれば切り離した君の足がどこからか生えてくると、
指先が求めていた海が教えてくれたのです。

刈り取ったみどりいろは
空の名前をずっと考え続けている蛙たちにあげることにしました。
彼らはそればかりを記憶の星に押し込めようとしているので、
少しばかり困惑することもあるのですが。

君の描く塩基配列の中でわたしは、
君の白い腕ばかりを食べている筈でした。

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