Deoxyribo Nucleic Acid/ジャイコ
どこで組み間違えたのでしょうか、
ここにはもう食べられる程輝いている星がひとつも残っていないのです。
伸びゆくチミンの指先が、
わたしの食べ尽くしたみどりいろをなぞります。
そのたびにチミンはひとまわり小さくなって、
追うように音だけを残して逝きます。
笑顔を忘れた蛙たちの足音がそろそろ頭上に迫り来る夕闇。
触れればぼんやりと輝きを取り戻す二重螺旋が、
わたしの足を繋いでいるところが見えました。
終わりの日まで書き込まれているよくできた設計図は、
蛙たちと同時にあちこちで増幅しては死んでゆきます。
それは今日も、わたしの意志の、届かないところで。
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