長い休み/殿岡秀秋
思っていた
しかし母からいいだすことはない
ということがわかった
どうしようかと考えながら
なおも二日間休んだ
庭を見ながら
自分にたずねた
学校に行かないままでいいのか
夕食のあとで
「明日は学校に行くよ」
母に聞かれる前にいった
母は少し考えていた
「それなら行きなさい」
ぼくから言いだした以上
行かなくてはならない
朝がきて小学校までの道を歩きだす
ランドセルには
教科書のほかに
長い休みについての先生からの質問への答えや
同級生の不思議そうな視線への心構えをつめたので
いつもより重く感じた
一歩一歩が心臓に響く
背中に鎖がつい
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