長い休み/殿岡秀秋
がいないか
心配しないですむ
やがて日曜の夜がくる
もう休む理由もない
夕食の後で母に聞かれる
「どうなの」
いくらなんでも休めないだろう
「だいぶよくなったよ」
「でも無理して行って
ぶり返すといけないから
もう一日休みなさい」
と母がいう
まだ休めるの
ぼくは驚いたが
小学校に行きたくないので
黙って頷いた
昼間は空想の中で
遊んでいられるので
ひとりでいても
退屈することはない
戦国時代の
武将になって
天下を統一すると
一幕は終る
大国の領主になってしまった後より
侍大将になって
領主に成り上がるまでの方が面白い
ふたた
[次のページ]
戻る 編 削 Point(12)