鋸でぎこぎこ切っているのだ/人 さわこ
 
近づこうとしている。あなたはないてるの。今どこにいて何を食べているの。あなたはないてるの。変わり始めることを恐れずに死んでほしい。必ず刺すチョキからその目を離さないで。あくる日、つかの間の休息が与えられた。寝る前に殺さないでください。私を寝る前に殺さないでください。抱きしめて、二度と離さないでください。ようやく幕を開けた物語を、私はとても愛しく思う。きっと、社会科や動物の偏見を横切る衝動的な貨物列車に乗り遅れ、脳内で膨らませた昨日よりもっと素晴らしい明日が私を待っている。殺されたくない。死にたくない。誰が教えたわけでもないのに、目が濁っているのを知っている。研ぎ澄まされた太刀魚の美味さよ。川を跨い
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