鋸でぎこぎこ切っているのだ/人 さわこ
私は何度も確かめる。科学の力でさえ私の灯火を消すことができないのなら、もう私に罪を犯せるのはあなた以外存在しない。歪んだ精神を壊してほしい、その長い指で縛りつけて気が遠くなる程の優しさを教えてください。あなたに出来ることはただそれだけ、あなたに出来ることを私だけに惜しみなく与えてください。コウモリは墜落する私だけを追う。そういう習性を持つと幼い頃に聞いた覚えがある。それなら、互いに向き合った顔面に対し、私がその片方であるとすればその向こうにある顔面はあなたのものでなければいけない。それは私だけが決めたことではなく、あなたもきっと辿り着く結論である。しっかりと命を消してください、それ以外方法が見当た
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