今宵、夢見よ/セルフレーム
 
の音に乗せ、
ある夜には己の想いを言葉にしました。

彼もまた同じように歌を詠い、言葉にして私を深く愛してくれました。


いつだったでしょう。

ある夜、彼は私の館を訪れ、悲しそうな顔で言いました。

―姫、貴女とお逢いできるのも、今夜が最後です。
本当に、今まで楽しゅう御座いました。

これほど美しい、貴女のようなお方と、深く愛し合うことができた。
本当に本当に、素晴らしいひとときでありました。

これから、私は遠くへ旅立ちます。
私が迷わないよう、どうぞ、姫様の心からの御祈りを・・・

姫様、
姫様と出逢えたことを、私の短し一生の
唯一の誇りにしとう
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