昨日のリタ/ホロウ・シカエルボク
え入れた
俺はふざけた会釈を返しながら
中に入るときに開いていたページを盗み見た
彼女が見ていたのは医者のページで
とりわけ産婦人科の広告がたくさん掲載されてるページだった
その項目は俺にいろいろな暗い話題を連想させたが
せっかく迎えてくれた女に
そんな詮索はするべきではないと考えてこちらからは聞かなかった
女の顔を見ると彼女はまっすぐに俺のことを見ていた
(聞きたければ聞いてくれても別にかまわないのよ)
そんなことを言いたげな顔をしていた
俺はそんなことの一切を無視することにして
ぺらぺらと電話帳のページをめくった
あるところで
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