胎盤/ホロウ・シカエルボク
たちが
数日おきに
かわるがわる彼女と交わった
そのうちのまた何人かは
彼女を人形のようだと思って
やがて彼女が少女であった頃の関係に戻った
最終的に彼女と関係を続けたのは
ほんの2、3人の男だった
ほどなく女は子を宿した
誰が父親なのか誰にも判らなかった
彼女は部屋にこもるようになり
複雑な思いを抱きながらも
男達の妻が彼女に何かと世話を焼くようになった
妻たちの中には
途中で妻でなくなる者もいた
それでも紫色の唇の女には
ひどい仕打ちを与えようなどと思うものは誰も居なかったのだ
そんな暮らしが三月(みつき)も続いたころ
女は不思議な夢を見るよ
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