胎盤/ホロウ・シカエルボク
 
、そうだ、私にはまだやることがあるのだ、自分の役目を知った以上、私はこれだけはやり遂げなければならない、あなた、あなた、私は必ずあなたをこの世界に呼び出して見せる、私は役目を知った、役目を手に入れた、それはもはやあなたを生むことに集約される…私の身体に残った力のことなど大した問題ではない、私には生むことが出来る、私には生むことが出来る…


あああ
ああああ


雷鳴のような彼女の叫びが
真夜中ただ一度こだました
その声に目を覚ました男達や女達が
次に聞いたのは激しく泣き叫ぶ赤子の声だった
誰もがその場を跳ね起きて
紫色の唇の女の住処へ向かった
彼女は体中の血を全て流して
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