胎盤/ホロウ・シカエルボク
はまるで海の中で起きた嵐のように、次第に速くなる流れ、次第に速くなる流れ、女は淡い光を放つ、女はゆっくりと回る、古代魚たちは何かの装置のように懸命に泳ぎ始める…
やがて、女の身体は一直線に空に向かって弾かれ、地球を包む空気の層を抜けて、宇宙へと飛んだ、女は宇宙空間から、地球がたったひとつの胎盤であることを見た、ああ、胎盤、胎盤、胎盤、胎盤、胎盤!私もまたたったひとつの胎盤だったのだ、たったひとつの胎盤として、私はこの運命を選択したのだ…女の身体に次々と流れ込む古めかしい命、人、犬、馬、牛、鳥、魚、虫…あらゆる命が悟りの速さで彼女の胎内を通過していく、彼女は地球と同じたったひとつの胎盤であ
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