胎盤/ホロウ・シカエルボク
に戻り
素っ裸で
淡い光を放ちながら海の中にいた
彫刻のような古代魚たちは
彼女の存在を神格化しているかのように
祈りのように彼女を中心にしてゆっくりと同じ方向に円を書いていた
数え切れないほどの生き物がいた
そしてなぜかどれもこれも古めかしかった
海の色は
ひとつの印象だけを強く押し出したようにうっすらと青いだけだった
私を取り囲んでいる、数え切れないほどの、生き物
数え切れないほどの命
女は次第に自分の身体を海中の潮の流れに任せていった
漂う女、周りを泳ぐ古代魚、彼らは次第にひれの動きを速くして、女を中心に海中には
新しい海流が生まれる、次第に速くなる流れ、それはま
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