夜明け前/さき
とか
「私に私のままでいいって
嘘でもいいから言って
それから愛してちょうだい」
とかね
単純な毎日と
お手軽な日々を
ひらひらと飛び続けている
右肩とこの胸の蝶々の羽
諸行無常の響きと
止まない太陽の歌を聞いて
きっと
もうすぐ剥げ落ちる
最近よく思うのが
きっと
あの夜
知らない男に
自分の見えないところにつけられた
私のチャックを
きっと
気づかないうちに下ろされて
それまで一生懸命
取捨選択してきた
パステルカラーを
抜かれて
代わりに
アイツの都合のいいものを
詰め込まれたんだよ
ということ
吐くまで飲
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