孤独/山崎 風雅
 
に違う人々がすぐ隣にいて、そこで一緒に暮らしていると言う、これまでに人類が経験したことのない事態が起こっている。

 快適に愛情に恵まれて暮らして、この世に感謝と畏敬を持ちながらな暮らしをしている家族の隣には、精神を病んで愛情にも身体的健康にも恵まれず、この世に恨みと憎しみと絶望を持ちながら暮らしている人がいるのに接点はないと言うことが、多くの場所で普通にあるんじゃないだろうか。
 そして、その人達は同じ社会で、顔を合わせても、まるで異星人同士の出会いのように共通の言語がない。
 
 孤立していく個人は、幸せについてのそれぞれの理想はあっても、淋しいと言う、精神的な足場である安心感と離れ
[次のページ]
戻る   Point(2)