Romanesque/sironeko
草も、足を一歩踏み出すことすら、神経が行き届いているのだ。
(家柄がいいのね、本当に、着物が良く似合いそうだわ、それを乱して縄で縛ったら、もうダメよ、ダメなのああ、イってしまうわ、嫌、外なのに)
少年が青年に何かを強請っている。
青年は困った顔をするが、少年がむくれて怒るとそれには敵わないというように、
少年の頬に触れ、
額に
キスを
落 と し た 。
(あああ嫌、ダメ、そんなダメよ、イッっちゃう、イッっちゃうわ、また、また、イクわ、ああそうなの、わかったわ、あなたたちは恋人同士なのね、そうなのね、ふふ、わたしにはわかるわ、その表情でわかるのよ、あ
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