夏の日の夢/
e.mei
1
「――光は痛いですね。
きみは風にのれば影がなくなるのをしっていますか?
きみの記憶は焦らずに、
ゆっくり歩いていけば自然と埋まってゆくでしょう。
きみよりも地面のほうが積極的なのですが――」
「月は別人になりました。
あれでは太陽でしょう。
垂らされた糸につながれているだけで、
それを人間とすることにわたしは納得できません。
横に揺れてはぶつかっているあれの名前は何ですか?」
――いかないで、
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