静かな人へ、/
e.mei
あたらしいせかいのひかりなのだ。
そこは彼のいないせかい、
それでもよかった?……」
夜明け前、
光は飛ぶものだから空が怒るのですと、
彼女は橋の上で光を裂きはじめる。
落ちてゆく光の音を橋は避け、
だれもかわりにはならない。
だれもかわれるはずもない。
(――どうして、
なんて、
わかっているくせに――)
指で星と星とを繋げ
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