顎なし鱒夫と俺物語/e.mei
リークリスマス!!
我が家のクリスマスは本格的だ。俺は夕飯前に子供たちには内緒でサンタの格好にされ放り出された。外は寒い、俺は庭にいる。鶏は庭にはいない(噛むな)。子供たちは俺の名も出さずに夕食をすませる。わかっていたさ、静まれ我が魂。俺は庭から永遠を目で追う(深夜までどうしよう)この家では俺は稲妻似の幽霊以下の扱いだ。何がご先祖だ。このままでは俺まで逝ってしまう。風が遠くから吹いてくる。空と俺とに裂け目をつくり、俺は現実に分散する。ああ、俺は婿養子、おや、君も婿養子? あそこにも婿養子。
しまった、幻覚がみえる。冬は終わりの季節だという、死が空から降りて来る。今日も何処かで犬が死ぬ。何処
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