君と僕の世界/sironeko
 



また右の坂の道を進みます。すると、右には小さく高い堤の上にここに昔から住む人たちの古い墓地、左には子供たちを小さな冒険へといざなう大きな公園があります。

春になると、道にはふわりひらひらと淡い朱色を散らせる桜は、僕の左の大きな公園の道路との境に規則正しく坂の上まで百メートルばかり並びます。

毎年、
生きている人も、
目には見えないけれど、
きっと、
この世のものではない人も、
うたかたの夢のごとくのそれにまどろんでいるのでしょう。


僕はそれを愛おしく感じて少しだけ笑いました。


それから、もう一つの彼岸、秋には桜並木の反対側、墓地と道路の間に設
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