ベネズエラの夜に、/e.mei
ひとつの恋が終わる。ああ、ベネズエラ! リベラの老犬は主人に噛みつき、ホセは悲しみの歌を歌いながら青狸を増殖させる。(それを人の心、というのではないでしょうか)忘れることのない思いとともに俺は、リベラの老犬を撫でながらまた、泣いてしまう。
*
(ああ、リベラにホセが巻き付いている。何故そうなったのかはわからないが)気の遠くなるような長い長い時間をかけて二人は巻きあってしまったのだろう。このリベラは転生を繰り返したせいか無数の穴が開いてしまっていて、そこからピッコロ色したうどんが絶え間なく流れ出している。(おそらく誰も見たことのないこの光景は俺のトラウマになることだろう。)黒いの
[次のページ]
戻る 編 削 Point(6)