ベネズエラの夜に、/e.mei
 
 ああ、マンモスは沈黙し、ただ俺を見つめる。俺がホセの青狸を処理したことについて彼は嘆いていたのだ。では小さな部屋で増殖し続ける青狸をどうしろと言うのかと俺が問うと奴は鼻からうどんを出して消えた。おまえの心は夕陽のなかで塵となる。(死者の吐息に濡れたマンモスはリベラを突き飛ばし、)遠き昔を思い出した奴は鼻からうどん、うどん汁だ。
 おお、日の光が去ってしまうよ、ベネズエラ。(リベラがまたひとり消える。)俺は縛られたマンモスに蹴りをいれ、奴は鼻からうどんを出し悶えた。(美しきベネズエラはホセの絶望を抱きしめる……)酒場から酔って出て来たホセは美しい少年を見付け、またひとつの恋をして、そしてまたひと
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