真夜中の魚/e.mei
 
めに還った――


「私が星に指をつけます
 あのトンネルを抜けると火がひろがり 空を見上げると星がまたひとつふえました
 おおきな星をめじるしにして明日へとつなげましょう
 ほら ごらんなさい
 雨のやまない世界では椅子はすぐに腐ってしまいます
 なおそうとしてはいけません
 我々人形と同じでまた同じ事の繰り返しになりますから」


「夢というコトバが好きです
 未来にはないものですか?
 私たちはふたりの船でした
 そこに小鳥があらわれて彼の足を食べてしまったのです」


「それは不快ではありません
 いえ それをしあわせとよぶべきなのかもしれませんね

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