旅立ち、と未熟が吹かしたがる/ホロウ・シカエルボク
籠のようになり、ちょうど赤信号で少し静かになった交差点には黙祷の佇まいがある
自動販売機に群がる学生のグループはさっきの列車から降りてきたのだろうか、流行のムーブが知恵遅れみたいに見え始めたのはどのくらい前からだっただろう
青信号に変わる瞬間に本当にそれを渡りたかったのかどうかほんの数秒自問して、結論を待たぬまま歩みは続いた
浄化出来ない霊魂のような湿気がまとわりつく、風にほんの少し、雨粒が混じったような気がしたのは気のせいなのか?傘を開き始める幾人か、反応の速さだけが自分を守ってくれるのだと言わんばかりに
どのみち雨になれば俺は濡れるだけだった、自分を守る術なんかはっきりそうと知
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