退廃の舞/木屋 亞万
 
に逝くがいい
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公園の骸の骨を食む、野犬の眼には
かつての人への恨みしか残ってはいない
それは言い訳、それは芝居、それは偽り、それは期間限定の真実
湿っぽさの中に、毛の根元の蒸れた臭いがする
それが自分の匂いだと気付いて犬は大きく瞳孔を開いた
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何もかも終わったような顔をして
都会は今日も沈んでいく
砂煙が舞う嵐の中で、ヘドロの底に眠る街
大人たちは壊れるために酒を飲み、
汚い汗を垂れ流しながら、浮かれた気分で沈殿していく
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