どうして、また/ホロウ・シカエルボク
す、深夜、施設警備の連中が定時の見回りをしているときに、後ろから首を絞めてくるらしい、若い女、服装が異常なまでに古い…そのビルの中で警備をしていた年寄りがひとり、真夜中に心筋梗塞で死んでいる、見つけられるまで朝までかかった、それは有名な話だった、そのことが噂に拍車をかけた、「あいつは見たんだ」「見たんだ」「見たんだ」、誰もがそう信じた、本当は―そいつはただそこで死ぬ運命にあっただけのことかもしれないのに…仕事中に死んだ警備員なんて俺だって二人ばかり知っているのに
あの時、誰かが外れるように細工をしてた窓から忍び込んだ、酒を飲んでいた、何かひどくうんざりしていて…そのことについてはあまり思い
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