扉と掌を隔てる被膜/uwyeda
何者なのだ?この問いに答えはあるのか?
次元と次元の狭間に落ち込んだような先の見えない問答にただ私は押し黙るしかなかった。本当だ。
「眠れぬ夜を過ごしているのは君だけではない。例えばこのミミズクがそうだ。」
私が一体誰であるかという問いと、お前は一体何者だという問いはどのように違うのだろうか。私と他者をこうも完璧に隔てているのは一体どんな壁なのだろうか。私とあなたでは何が違うのだろう?食事の好みとか好きな食べ物とかお気に入りのメニューとか、そういったもので私は私だと示せるだろうか?そうではないと既に私は知っているのに答えを出さないのはなぜなのだ?それも夜に紛れた嘘なのだろうか。だ
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