血飛沫(稚拙に書きつけられた譜面のような肉体の中の豪雨)/ホロウ・シカエルボク
身の決めた綴り方で…魂は簡単に解放されたりはしないぞ、手にしたものを舐めつくせ、からみつけ、貪れ、喰らい尽くせ、報いや許しが脳裏に過るのは反吐が出るほど甘過ぎる心のせいさ、そうだろう、そうは思わないか?報われるなんて考えるべきではないのだ、笑い話のように愚かな宿命を背負って生まれてきたのだと感じることが幾らでもあっただろう?お前が記憶の中を闇雲にまさぐる時、ごろごろと転げ落ちてくるものはいつでもおぞましく奇形化したそんな滑稽さばかりだったんじゃないのか?逃げ出すことは出来ない、逃げ出すことは出来ないぞ、爪を立てて飛びかかるがいい、他にどんな術も持たない三本脚の猫のように、弱い跳躍で喉元を狙うがいい
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