血飛沫(稚拙に書きつけられた譜面のような肉体の中の豪雨)/ホロウ・シカエルボク
いい、だけど判るだろう!例え見事に急所を捉えたところでそれはほんの僅かな掻き傷に終わるのみだ!ははは!はははは!お前には誰をも殺すことは出来ない!殺すことさえお前には出来やしないのだ、恥じるがいい、悔むがいい、喚くがいい、それがお前について回る思春期の正体だ、どこかで傷を受けてくるのが得意なお前、憎むほどの烈情を持ち合わせないお前、ははは!お前は湿気った花火のようだ!錆びすぎた刃のようだ!崩れるのみだ!崩れるのみだ!崩れるのみだ!悔みながら、足掻きながら、ぼろぼろぼろぼろぼろぼろぼろぼろ崩れて終わるのみさ!―あーはー、お前は豪雨の中で何を見ている、霧雨に見えるのはお前の眼が霞んでいるからさ…よく見
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