血飛沫(稚拙に書きつけられた譜面のような肉体の中の豪雨)/ホロウ・シカエルボク
 
た、それ以上の理由はなかった、どれだけ眺めても、どれだけ身体が震えていても―知っているか、真夏のスコールの中でだって、身体は冷えてゆくことがあるんだ…俺はそのままくたばりたかった、真夏のスコールに奪われるだけ奪われて、阿呆みたいに凍えて死にたかった、だって俺にはくたばるだけの理由があったから、どんな理由かなんてもう思い出せないくらいの昔のことだけど、だって俺にはくたばるだけの理由があったんだ、片手じゃ数えることが出来ないくらいの理由ぐらいは、少なくとも持っていたんだ―生きるということは、理由を捨てていくことを学ぶ道のりでもある、生きて、生きることを選択して続けていくと、そこに理由は必要ないことを知
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