血飛沫(稚拙に書きつけられた譜面のような肉体の中の豪雨)/ホロウ・シカエルボク
を知る、理由は時として、いや往々にして、体内の奥底にある真理に近づく機関の動きを縛り付けてしまうものだ、真夏のスコールが体温を奪ってゆくときのように、ひところは豪雨だった、あのとき俺は、豪雨の中に立っていた、阿呆のように無様にくたばりたいと願いながら…いま、と俺は思う、今あの時のような豪雨の中に立てたとしたら、俺はどんなことを願うのだろう?切り裂くような豪雨、肉体を弾く、マシンガンのようなスコール、俺はいったいどんなことを願うのだろう?俺はもう十代ではない、いつかも言ったように、だけど俺の思春期はまだ血を吐き続けていて、まだだまだだと惰眠を貪ろうとする俺の首筋をひっつかんで叩き起こす、まだ横になる
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