灰に埋もれた日常のスケッチ/熊野とろろ
は無きにしろ
克明に語り継がれている私と
私の周りの今や亡霊たちの
送別会にこの詩が代わることを祈る
それ以前そして以後に経験した
偉大なる先人たちの教えに倣い
ただひたすら倣いごとと倦怠の間で
摩耗していくだけの記録を
ああ「研磨」の方が格好ついただろうな
同じく「ジャンク」フードの方が野蛮で
晴れわたるイエローな時代に
いとも簡単に無法者の装いで
混乱の荒地を闊歩してやろうという気にもなっただろうに
この虹色のペンシルで
ここは格好をつけて灰色のクレヨンで
どこにいるか測定不能の自分の為の
スケッチは続く
人類史上未到の領域に精一杯の
不動の愛をこめましょう
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