生きている/生田
してもいけない、否定するよりも質が悪く、自分を淀ませてしまう。許されるのは真剣に向き合うことのみである。それは、最も力のいることであるし、空回ることもあるし、相手を殺しかねない場合もある。しかし、それのみが嘘に対する正しい処し方である。
なぜ、殆どの書き手は短命なのか。理由を考え、また話題にもした。結論からすれば、嘘つきになりきれないのだ。嘘をつきつづけるには覚悟がいる。根っからの嘘つきでもない限り当たり前のことである。嘘をついているという自覚なく嘘をつき続けることも可能であるが、やはり漫然と嘘と付き合ってはいけない、腐ってしまう。
狼がきたぞー、と繰り返した少年の物語を思い返す。彼は
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