誰が豚かを決めるのは俺だ(2)/花形新次
言うこと
はなかった。そんなことを言う女は最低な女だと思っていたから。
でも、今は、ちょっぴり悔やんでいる。もし私が、
「正義と私とどちらが大事なの?」って口にしていたら、どうなっていたかって…。
正直、分からないわ。ああ、そんなとき女は愛する男のために本当はどうすべきなの
かしら?
あなたに聞いても仕方ないわね。若い男性のあなたに。
それで結局、「私、茗荷谷君にはついて行けそうにない。」って言って、別れてし
まった。そう…、しまった。
彼はその翌日北朝鮮に飛び立っていった…。
ええ、知っている。彼は結局、北朝鮮には行けなかったってこと。
本当のことを言うと
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)