『粗暴な月と受動的心中』/Leaf
それはそれはとても空疎な事を露呈したわけです
階段をよちよち昇る自分のその後ろ姿をただ眺めていた訳じゃない
荒れ狂う波動にただ溺れたい訳じゃない
知る事の意義を肌で感じたいだけなのです
まだ誰も行った事の無い月への憧れみたいなものなのです
その未踏の月は夜更けに暴れ出し
自らの無能さを暴きだす
自己陶酔に陥っても
別に歓声を毛嫌いした訳じゃない
頷くばかりで満たされるとも思っていない
誰とも会話の空虚さがそこにあって
誰とも触れ合えない苦しさが裏返って
誰も救われない救えない痛みがそこにあって
固唾を飲んで見守るほどの苦悩を知った積りで
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