地蔵菩薩/within
 
全く気にせず、内心では、何を蒙昧なことを、と思いつつ、へらへらと、そうやなあ、と相槌を打ち、今日も稼いだる、と余裕しゃくしゃくだった。確率以上の現象が続き、大黒天でも憑いたかのようなあまりの神がかり的な展開に、もしかしたらとんでもない鉱脈を見つけたのではないかとほくそ笑んだ。もう手元には十万単位の貯金ができていた。
店が開くと急いで台を取りに行く客を尻目に、ゆっくりと店内を一巡し、あまり人気のない、くつろぎながら打てる台を選んで座った。少しばかり投資がかさんでも最後には勝てると確信し、強気に突っ込み、昼頃には取り返した。夜まで粘ることはなく、夕暮れ頃には精算し、勝利の余韻に浸りながらラーメン屋で
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