今日が天気かどうかなんて本当はどうでもいいんだ/ホロウ・シカエルボク
たちは貧しいんだ、ホット・ドッグを買うことが出来ても…明日やってくる支払いをうまく捌けるかどうかはまるで自信がない
この海水浴場に隣接する空地には昔遊園地があったんだ、到底自慢出来るような立派なもんじゃなかったけれどさ、「派手な公園」って言ってもなんだか見劣りするくらいの遊園地が確かに昔ここにはあったんだ、砂浜からいつも見えていた観覧車、何人もの友だちがそこでロマンティックを少しだけ卒業したバカでかい観覧車…あのゴンドラから見下ろす世界は哀しいくらい青くて…「海ってもしかしたら死んでしまった人たちのものかもしれないね」と呟いた十七の時のガールフレンド、あの娘もすぐに無口な魚に還ってしまった、本当
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