今日が天気かどうかなんて本当はどうでもいいんだ/ホロウ・シカエルボク
んざりするような犬死にのサマー、浮浪者どもが徘徊するさびれた海水浴場のいくつもの廃屋、死んだ産業の窓に映る立ち小便を垂れる死んだ社会性、汚れた首輪をつけた柴犬がそれよりは幾分誇らしい調子で後ろ足を片方上げて存在意義を壁に飛ばしている、メロンソーダのようなそれぞれの在り方の―シンボル
派手なバンでホット・ドッグを売っている長身の女の頬に青い痣、殴られたのかと尋ねたら顔をしかめて「あなたには関係のないことでしょ、ほら、おつり、どうもありがとう」ときたもんだ、もう親切なんかを受け入れてくれるほど適度な不幸を抱えたやつなどどこにも居ないのだ、どいつもこいつもおのれの地獄を誇ろうとし始めた、そうさ、俺たち
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