サイエンスフィクション・オールライト/竜門勇気
 
た。
男の口が言う「案内してやろう、この先をすぐだ。」
呟いたきり何も喋らなくなった。俺はこのゴミ屑野郎にかまっているのがゴマ粒を黄金と勘違いしたような気持ちになり「あばよ」と声をくれてやったが
男のバラバラの体が道路の上で壊れた騎兵隊のおもちゃのようにどこかへ(それこそ14番地へ!)案内するようにのたうっているのを見て、俺は一人で14番地のバーを目指すことにした。

数分歩くとすぐにバーが見つかった。ロケット乗りがすきそうな、腐ったニシンを平気で出すような店だ。人を舐め腐ってそれだけを生きがいにしているようなバーテンはビールを勧めてきやがる。
俺の有り金はクソ警官のクソ財布の中にある
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