夜の果ての旅(フミタケ/rabbitfighter)/rabbitfighter
伸びていき
少しだけ街の輪郭はにじんで
未明の風が北の潮流のように
僕たちの体温をかすめ取り
ふきやまない
いくつもの窓はまだ眠りの中
あの娘が言ってた事思い返して
小さな声で歌えば それだけで
気分はすこし変わるのさ
沈黙の踏切から鉄道の小さな果て
それはでっかい夜の向こうまで
君のいる街までつづいているんだろうか
あきれるくらい忘れるように
アルコールの瓶があっけなく転がり
何度でもとぼけた顔して
風に何かを呼びかけていた
夢の中ではあの娘笑ってくれるんだ
夜を待ち焦がれるままの一日を
むかえる朝をくりかえして
もう僕は行くところ
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