shizumu machine/竜門勇気
 
こち砂鉄にやられてガリガリいいながら
なんとかドックまでたどり着いた日も
あの海の話をじじいは言ってたな
懐かしそうにしゃべくってたな
おいらは黙りこくって 奴の目を見てた
そうしていれば
じじいはいつまでもおいらに話し続けてくれた

真っ赤なおいらの目は 少しだけじじいに 似てる
不意に風が起きて
砂粒は背中から遠くへ吹き飛んでいって
またおいらの目は赤い光を取り戻す
どうしようもないスタックが続く

少しだけ力が湧いて出た
街の明かりの明滅を黙って見ているんだ
天体の真下で夢を見ていた
届かない青い星が流星のように空を行きかう
それを太陽が追う

さっき
[次のページ]
戻る   Point(0)