shizumu machine/竜門勇気
大丈夫なのは センサーだけ
砂の丘でおいらはまちぼうけさ
ドックにいた 兎眼のじじいの頭は
ずっと前からいかれてた
幾つの海を越えて
ここまできたっけ
舞い上がる粒が消えねえで
街の光を散らしている
おいらはおいらで 役目があるのに
足が埋もれて 力も出ないで
頭ん中でごちゃごちゃが叫んでる
じじいはいつか
こんな暮らしを抜け出して
本物の海に行くんだって いつも言ってたよ
まる一日 糸を垂らして
日が暮れたら 缶詰のビールを飲んで
そうやって暮らすって言ってたよ
おいらがコールタールにまみれて帰って
これっぽっちも収穫が無かった日や
あちこち
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