幻影海峡/北村 守通
です
わたくしのようなものでも
手に届く
空が確かにあったのです
けれども
陸棲生物である
このわたくしは
結局
風邪をひきました
熱を出してうなされました
(弐の刻)
砥粒入りの風が
あんまり痛いので
頬が
ほどよく乾きました
後ろの墓石にぶつかって
途切れることなく
ぶつかって
それでも
ぶつかるものですから
いい加減
いくら硬い花崗岩だって
穴だらけになりもします
あんまりうるさいんで
抗議したら
その口を
たっぷりと叩かれたものですから
しばらく後悔して
口を慎むことにしました
過ぎたるは
災いの元
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