Fish/ホロウ・シカエルボク
そんなままなのさ。平気な顔ばかりしているとどんな心を抱えていても普通に暮らしてるみたいに見せることが出来る。そんな風にして少しずつ狂っていったんだ。普通の顔をしたままなにかが狂い続けているのさ。表向きの平静に感化されちまったのか、音もさせずにパズルのピースを取りかえるように狂っているんだ。そういうのってボーダーラインを越えることが出来ないんだよ、心が狂気に順応していくからさ、ボーダーラインであるべき位置にたどりつくころには、ボーダーラインは数歩先の辺りでにやにやしながらこちらのことを眺めている。ほら、なんでもない。順応してしまった感情はそんな認識を当り前のように受け入れてしまう、そうしてひとつひと
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