たんぽぽ咲きみだれる野っぱらで、俺たちは/角田寿星
 
きで
手足をじたばたしてるようなもんだ
よそうぜ そのはなしは
メシがまずくなる

宇宙に もいっぺん行けたならな
あんなやつらこてんぱんにしてやるのに
俺は眠くなって
あんちゃんの遠い眼をかえりみもせず
大きなあくびをしながら
いいかげんな合槌をなんべんも打った
俺の頬を つう とひとすじ涙がつたう
あくびのしすぎだった

ここはあたたかすぎるんだ。

成層圏のむこう
きらりと光る何かが見えて
俺たちは何も考えずに
照準をオートにしたまま
ランチャーをぶっ放す
あおい空にどこまでも吸いこまれる軌跡
消えていく爆音
と 空の色が変わり
真昼の星が輝く
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