たんぽぽ咲きみだれる野っぱらで、俺たちは/角田寿星
輝くように俺たちの阿呆づらを照らす
命中か?
命中だ…逃げろ!
咄嗟に熱反射シートをかぶり
ランチャーを放り投げる間もなく
あんちゃんの右脚と
俺の右腕が視えない衝撃に撃ち抜かれた
ちょうど俺たちの脚と腕の形に
地面は蒸発し
大量の黄色い花弁と
白い綿毛の乱舞が
これでもかと俺たちの上に
降り注いだ
ちきしょう
明日っから仕事ができねえぞ
俺は痛み止めを打ち
歯と残った腕で ついさっきまで
俺の右腕だったものをきつく縛りながら
あんちゃんの絶叫に
どうでもいい相槌をなんべんも繰り返した
たんぽぽの咲きみだれる
野っぱらの ど真ん中で。
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