ハンモック/王
木陰にハンモックを吊して午睡の贅沢
降り注ぐ蝉の夢をみました
それは生まれたばかりの夢
生まれたばかりで焼け落ちる夢です
夏の風につつまれ
熱について考えました
焦がれるのです
やがて本当に眠りました
息は浅く静かで
かげろうの様にゆらぎながら
もくもくとした雲に向かいます
光を溶かしこんだ青
そのまま何時間もそこにいて
微塵の身体で漂います
悪戯に切り付けようとする太陽を
やさしく森が隠します
それは無害な木漏れ日となり
まだらに染めていくのです
ゆらゆらゆらゆら
背中を抜けていく風
どこから来たのか聞いてみようか
何故僕を揺らすのか
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